大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和26(れ)1938 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人神垣秀六の上告趣意について。

所論第一は、要するに捜査当局が犯人にあらざるものに詐術を以て強いて犯罪を

行わしめこれを逮捕するがごときは個人の人権の侵害で憲法一三条に違反するとい

うのである。しかし、本件被告人が捜査当局から詐術を以て本件犯罪を強いて誘発

された事実を認むべき証拠がないから(被告人は、所論Cより相談を持ちかけられ

る前既に友人亡Bから本件麻薬の売却方を依頼されていたことは論旨も認めるとこ

ろである。)、所論は、その前提を欠くものであつて採用できない。

同第二は、違憲をいうも、その実質は量刑の非難に帰し、刑訴四〇五条の上告理

由に当らない。

そして、記録を調べても、本件では同四一一条を適用すべきものとは認められな

い。

よつて、刑訴施行法三条の二、刑訴四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文

のとおり判決する。

昭和二九年一月二一日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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